2018年2月16日金曜日

第41回紀元節復活反対2・11 道民集会が600人参加で開催

木村草太首都大学東京教授が講演

 2月11日(日)、ホテルライフォート札幌において、第41回紀元節復活反対2・11道民集会が600人を超える参加者で開催されました。
 主催は、靖国神社国営化阻止道民連絡会議(日中友好協会も加盟団体)です。
 主催者を代表して、札幌バブテスト教会の浦瀬祐司さんが「この秋にも憲法改悪案が出されようとしている」と改憲の危機を訴える内容の挨拶をされました。

.首都大学東京の木村草太教授が「憲法の未来」と題して約1時間講演しました。


 木村教授は、先ず立憲主義というのは「過去に権力者側がしでかした失敗を憲法で禁止することによって、過去の過ちを繰り返さないようにしようというもの」と述べました。
 次に近代国家を三段階に分けてみると、自然世界において絶対強いものが必ず勝つということであれば秩序は安定する。しかし人間社会は弱いものが時には強いものを倒す。万人の万人による闘争、これが第一段階。権力を持ったものが集中管理し秩序を作り出した。これが第二段階。しかし、権力者が権力による横暴、乱用を始めると国民はおびえて生活することになる。この権力の乱用を防ぐ試みが立憲主義である。
 国家権力の三大失敗とは何か。「無謀な戦争」「人権侵害」「権力の独裁」とまとめ、憲法はどう規定しているか?。 戦争は第二章で戦争の放棄がうたわれ、人権は第三章で国民の権利を保障している。国民が権利者で国家が義務者である。権力の独裁を許さないために、立法、行政、司法の三権を分立している第十章で最高法規を規定し、憲法違反はやってはいけない。「独裁は許さない」という張り紙を貼ろう。「国会には汚いヤジは飛ばさない」と言うふうに張り紙を貼っていかが」などと参加者の笑いを誘いながら講演しました。
 次に憲法改正について話したいと述べ、九六条や六八条について述べ、改正内容は常識的に三つぐらいで、三枚の国民投票になる。自民党の憲法草案なら五〇枚もの投票用紙が必要になるとも述べました。
 若い人へのアプローチについて、1、国民の多様性。2、若い人の多忙さを理解する。3、若い人の旧来型の対立構造を理解する。メッセージを届けたい相手に対する研究を怠らない。と述べ、世論調査の専門家やマーケティング専門家などの協力が重要ですと発言しました。
 教育無償化と憲法について、維新の政策を取り込み憲法改正に賛成させようとの考えである。憲法をいじらなくても法律と予算で無償化できると述べました。
 自衛隊と憲法について、国際法で武力行使はすでに禁止されている。例外的に集団的自衛権がある。安倍首相が憲法九条に自衛隊を書き加えるというのは、現在の自衛隊が違憲だからということになる。歴代の政権が言っていないことである。安倍さんは「深い考えがない」とも述べました。
  安保法制と九条改憲について、一項・二項を維持しながら自衛隊を憲法に書き込む?甲案、個別的自衛権までだと、可決で安保法制が違憲になる。乙案の集団的自衛権こみだと、否決で安保法制に国民がノーだとなるなり難しい国民投票になり、大博打になる。と述べるなど幅広い内容の講演でした。
 集会は、高教組の菱木淳一が自治体首長への要請文を朗読して提案、満場一致で採択されました。集会宣言案も採択され、最後に、「紀元節復活反対」「憲法改悪反対」を唱和しながら、参加者全員で青いメッセージボードを掲げました。